ジャガイモ(ナス科)
難易度:
定植から収穫まで約3か月と栽培期間が短いわりに種イモの10~15倍も収穫でき、ビタミンCはりんごの約5倍、みかんに匹敵する量が含まれている。
- 15℃~20℃で最もよく育つが、霜には弱く発芽後に霜にあたると葉が黒くなり枯死、その後の収量に影響が出る。
- ジャガイモの芽だけでなく、日光に当たり緑化した部分にも毒素である「ソラニン」が含まれているので、全てを取り除いてから使う。
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目次
ジャガイモ栽培の定植期と収穫期
※栽培地域や品種により異なりますので、あくまでも参考程度として下さい。
ジャガイモは春と秋の年2回、栽培時期があります。(※関東地方)
春植えが断然作りやすいので、ジャガイモ栽培の経験のあまりない人にはおススメです。
秋植えはジャガイモを夏に定植する関係上、種いもが腐りやすかったり、定植する品種が少なかったり、気候によってさまざま影響を受けるということがあります。
栽培するジャガイモの品種選定
最近の家庭菜園で栽培するジャガイモの品種もずいぶんと増えてきました。
インカのめざめ
きたあかり
男爵
デジマ
トヨシロ
ニシユタカ
ホッカイコガネ
メークイン
ざっと種類をあげただけでもこれだけありますが、自身の土地にあったジャガイモの品種を選んで栽培するのがおすすめです。
春植えのジャガイモ栽培であれば作りやすさは変わらないので好きなジャガイモの品種を選んで栽培するのもいいですね。
ただし、これはあくまでも私の経験ですが…
何年か栽培をしたインカ系(インカのひとみ、インカのめざめ)のジャガイモは、収量が少なく、あまり上手く作ることができませんでした。
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種いもの準備
種いもの購入
種いもを購入する場合にはきちんと品質が保証されているものを購入するようにしましょう。
ジャガイモの種いもの箱
上記、種いもは近所のホームセンターで購入したものですが、きちんと農林水産省の検査機関に合格したものです。
種いも検査合格証票
ホームセンターでの種いもの購入は比較的値段も安く手に入れる事ができますが発売時期が早く、インターネットや近所の種苗店での購入はホームセンターに比べて値段が少し割高になる傾向があり、どちらも一長一短あります。
あまり早く購入すると寒さで種いもが腐ってしまう場合があるので、春植えの場合は2月中旬くらいから3月上旬に購入するようにしましょう。
芽出し(浴光育芽)
購入した種いもの芽だしをしていきます。
浴光育芽(よくこういくが)とか浴光催芽(よくこうさいが)とかいいますが、定植2~3週間前から毎日種いもを朝から太陽の光に当てて、夕方寒くなるころにしまい、赤や緑など硬い芽を出させます。
浴光育芽(浴光催芽)は必ずしも必要ではありませんが、芽を出させることにより、発芽させないで植え付けるよりも発芽が揃うだけでなく、背丈が低くめの丈夫な株となり、病害発生などが少なくなるとの事です。
芽がでたジャガイモの種いも
上記写真は、出来るだけ暗くて涼しい場所に保管しておいた2月上旬に購入したジャガイモの種いもですが、1ヶ月半も早く種いもを購入したことにより、芽が伸び伸びになってしまっています。
上記の状態でジャガイモを定植しても特に問題ありませんが、出来れば芽が少しでた状態で定植したいですね。
種いもの切断
切り口に草木灰をつける
種いもの大きさにもよりますが、L玉で3~4等分、M玉で2~3等分、S玉で丸植えか2等分くらいに切り分ける感覚です。
ジャガイモ栽培の経験が浅い場合、1/2個に切って植え付けたほうが失敗も少なく済みます。
切った種いもの切り口に草木灰かハイフレッシュをつけて半日から1日、天日干しをして切り口を乾かします。
※畑で火燃しが出来る環境であれば、雑草等を燃やした灰を切り口につけてもOK
あまり乾かし過ぎても種いもがしなびてしまうので注意が必要です。
※我が家では種いもを切ってすぐに草木灰をつけて定植してしまいます。
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畑の準備
植えつけの2週間以上前に苦土石灰をまき量1でまきよく耕しておく。

ジャガイモは酸性土壌を好むので苦土石灰をまき過ぎないように注意します。
土壌がアルカリ性になることによりそうか病(ジャガイモの表面がかさぶたのようにザラザラする)にかかってしまいます。
定植場所の準備
溝幅15㎝~20㎝、深さ15㎝~20㎝、長さ8m(私の場合)溝幅の中心から中心まで70㎝の溝を掘っていきます。
定植溝の深さは、芽がでにくくなるので10㎝くらいで定植すると本などでも紹介されていますが、私の場合には深めに溝を掘るようにしています。
10年以上これでジャガイモ栽培をしている私の方法です。
実はこの方法、土寄せが断然楽になるので定植時は少し大変ですが、実はとてもズボラな栽培方法です。
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ジャガイモの定植
溝の準備が完了したら、ジャガイモを定植していきます。
野菜栽培の本に掲載されている方法だと、30㎝間隔でジャガイモの種いもを定植していくとかいてありますが、私の方法は自分の長靴の長さが(約)30㎝あるので、ジャガイモの定植間隔は長靴の一足分で置いていきます。
この後、種いもと種いもの間に肥料を入れていくのですが、この時に化成肥料がジャガイモの芽にあたって肥料やけを防ぐ為に種いもに土をかけていきます。
次に、種いもの間に「牛糞」「化成肥料」を大体1つかみ位の量入れていきます。
「牛糞」「化成肥料」を投入した後は足で土をかけていき、最後にレーキで平らにならせばジャガイモの定植が完了です。
ジャガイモの発芽
定植後3週間でジャガイモが発芽しました。
今年は3週間で発芽したジャガイモですが、その年々で気候がちがうのであくまでも目安となります。
遅霜に気を付ける
ジャガイモの発芽の時期は遅霜にあう可能性があります。(関東地方)
発芽時に遅霜にあわないようにするのがベストですが、発芽後に天気予報などで霜の降りる予報が出た場合、発芽した芽に土をかけるなど対応をしていきます。
発芽した芽に少し厚めに土をかけるのがポイントです。
「多めにかけすぎたかな?」
くらいで大丈夫です。
その後、キチンと成長していきます。
遅霜にあたると上の写真のように黒くなり、収量にも影響がでてくるので遅霜にあてないように注意します。
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ジャガイモの芽かきと追肥
芽かき
ジャガイモが成長してきたら芽かきをおこないます。
芽かきをするタイミングですが、大体5㎝~10㎝くらい芽が大きくなった頃におこないますが、厳密にこの時に芽かきをしなければいけないという決まりはありません。
あまり大きくなってからの芽かきですと、芽に養分をもっていかれてしまいますので、大きくなり過ぎる前に芽かきをおこなうようにしましょう。
上の写真は芽が4つありますが、元気で茎の太いものを2つ~3つくらい残して芽をかきます。
芽かきをするときは出来るだけジャガイモの種イモを引き上げないようにして真っ直ぐというよりは斜め上に引き抜くように芽かきをするようにします。
追肥
芽かきを終えたら追肥をしていきます。
追肥は株間に一握りの化成肥料を施していきます。
ジャガイモ全体に追肥をしていきます。
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ジャガイモの土寄せ
追肥が終わったら土寄せをおこないます。
土寄せが不足してしまうとジャガイモに日が当たり緑化してしまいます。
緑化したジャガイモには毒素である「ソラニン」が含まれ摂取すると、
下痢
おう吐
腹痛
頭痛
めまい
などの症状が出ることがありますので、しっかりと土寄せしてジャガイモを緑化させないようにしましょう。
万が一、緑化してしまったジャガイモは食べないように注意しましょう。
続きます。
